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買わずに借りる。短期滞在者のための東京レンタル活用ガイド

やわらかな自然光の差す簡素な東京の部屋。折りたたみ椅子、モニターを載せた木のデスク、レースカーテンの窓のそばの壁際に立てられたスーツケース

東京にいるのが数年ではなく数週間から数か月なら、「あれが要る」と思ったときに家電量販店へ直行するのはちょっと待ってください。

先に探したいのは、貸してくれるところです。

東京では、びっくりするほどいろいろなものが借りられます。車や自転車はもちろん、モニター、デスク、スーツ、カメラ、スーツケース、キャンプ道具、プロジェクター、礼服、月単位の家具まで。

理由はシンプルです。

部屋が狭くて、引っ越しが多い。年に二回しか使わないものを置いておくと、それだけで貴重な床が埋まってしまう。東京でいちばん足りないのは床面積なので、借りるほうが理にかなうんです。

短期滞在者の事情も、ほとんど同じですよね。

置き場所のほうがモノより高くつく街では、借りるのは妥協ではなく、ごく普通の選択になる。

値段ではなく、使う週あたりの費用で考える

「いくらか」だけで考えないでください。

実際に使う一週間あたりいくらか。最後に手放す手間まで含めるといくらか。そこまで見て判断します。

安いモニターなら数万円で買えるかもしれません。でもそれは、郵送では持ち帰れず、急いで売るのも難しく、帰国するときに道ばたに置いていくわけにもいかない、大きくて平たい荷物です。

デスクや椅子のような大きな家具は粗大ごみになり、有料の処理券を買って回収日を予約する必要があります。パソコン用のモニターは、そもそも粗大ごみとして出せないことが多い品目です。たとえば新宿区は家庭用パソコンやディスプレイを区では回収しておらず、メーカーによる回収か、宅配便での回収サービスを案内しています。扱いは区によって違うので、買う前に自治体の品目別の案内と、回収までに何日かかるかを確認してください。どちらにしても、持っているだけでかかる小さな税金のようなもので、回収日が出国日に間に合わないこともあります。

同じモニターを二か月借りれば、たいていは安く済み、引き取りは貸し主がやってくれて、出発前の段取りもぐっと楽になります。

どこで元が取れるかはものによって変わりますが、目安を言うならこうです。

三か月未満なら、かさばるものや季節ものは借りたほうが得なことが多い。

家具と家電を月単位で

日本には、家具や家電を月額のサブスクで貸してくれるサービスがいくつかあります。

デスク、椅子、棚、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ。短期赴任の人向けに、一式そろったセットを用意しているところもあります。「家具 サブスク」「家電 レンタル」で検索すると見つかります。

大事なのは、配送と回収が料金に含まれているか、オプションで頼めるかどうか。

車がないと、東京のマンションにデスクを運び込むのは、買うことよりよほど大変です。

気をつけたい点が二つあります。

まず、多くのサービスは国内の住所と電話番号、それに国内の審査を通る支払い方法を求めます。到着初日より、生活が少し落ち着いてからのほうが使いやすいはずです。

もう一つは最低利用期間。一か月からが一般的で、初月だけ配送の費用を上乗せして高めにしているところもあります。

仕事まわりの環境

デスクと椅子の場合、悩むのは「借りるか買うか」より「借りるか、そもそも置かないか」のほうが多いと思います。

コワーキングの会員になる、図書館を使う、カフェをいくつか回す。これでかなりのことは足ります。

家にちゃんとしたデスクが要るのは、深夜や早朝に通話が入る人が中心です。自分がそうなら、滞在中だけデスクと椅子を借りるのがすっきりした答えになります。

モニターを置くなら、買わずに借りましょう。

「仮のデスク」の記事では、2か月を切る滞在で買ったモニターを、いちばん後悔しやすい買い物に挙げています。後悔の中身は処分の手間なので、借りてしまえばその悩みはなくなります。

法人向けの機器レンタルは会社名義の契約が前提のこともあるので、個人向けのサービスから探すほうが早いです。たとえばRentio(レンティオ)は、PCモニター、カメラ、家電を個人向けに短期プランや月額プランで貸しています。最短期間は商品ごとに違い、申し込み時に審査もあるので、自分の身分証で通るかは先に確かめておいてください。

モニターより小さいものは、中古で買ってあとで売るほうがたいてい安く済みます。

キーボード、マウス、ケーブル、ノートPCスタンド、デスクライト。このあたりは日本の中古市場ですぐ売れるので、払った額の大半が戻ってくることもあります。

予定していなかった場面のための服

短期滞在の人がいちばん見落としがちなのがここです。

クライアントとの会食、結婚式、お葬式。そんな予定が急に入っても、東京なら一式まるごと借りられます。

スーツ、フォーマルドレス、着物、合わせる靴やバッグまで、短期のレンタルでそろいます。翌日に届いて、返送用の伝票も付いてくる、というのも珍しくありません。「礼服 レンタル 宅配」で探せます。

礼服レンタルがここまで充実しているのは、日本の冠婚葬祭には服装のきまりがはっきりあって、十年に二回しか着ない喪服をわざわざ持ちたい人は少ないからです。

荷物を軽くしたい旅人にとっては、ありがたい話です。

あるかどうかもわからない会食のために、六か国をスーツと一緒に移動しなくていいんですから。

冬のコートも同じ考え方でいけます。

十一月に借りるか中古で買って、三月に手放す。暑い国を通るルートで冬のコートを持ち歩くより、ずっと現実的です。

移動手段

いちばん気軽に使えるのはシェアサイクルです。

都心の広い範囲にポート型のサービスがあって、アプリで登録すれば、一回ごとでも一日パスでも使えます。

滞在が長いなら、月極で自転車を貸す店を探す手もあります。そういう店がある区もあって、防犯登録や最後の処分まで考えると、安い新車を買うより結局安くつくこともあります。

レンタカーは、街なかで運転しないつもりでも知っておいて損はありません。

東京の運転は正直楽しくないですが、土曜日に一台あるだけで、行きやすくなる日帰り先がぐっと増えます。

カーシェアは、短期滞在の人にはハードルが高いサービスです。たとえばタイムズカーシェアは、海外で発行された免許証でも国際運転免許証でも入会できません。現実的なのは店舗で借りるレンタカーです。

必要なのは1949年のジュネーブ条約にもとづく国際運転免許証で、日本で運転できるのは入国から最長1年です。ドイツ、スイス、フランス、台湾など一部の国の免許なら、国際免許の代わりに公式の日本語翻訳文を添えて運転します。

スーツケース、カメラ、一度きりのもの

スーツケースのレンタルが役に立つのは、こんな場面です。

来るときは身軽だったのに、帰りは荷物が増えている。でも一回のフライトのためにケースを買うのはもったいない。

カメラやレンズのレンタルもすっかり定着していて、趣味の人からプロまで使っています。週末だけなら、思ったより安く借りられます。

キャンプやアウトドア用品のレンタルも、日本のキャンプ人気と一緒に広がりました。郊外で一泊するのに、テントを持っている必要はありません。

傘にいたっては、ほぼ無料で借りられるようなものです。

コンビニチェーンや鉄道会社が傘のシェアリングを試してきましたし、それがない場所でも、1,000円以下のビニール傘が「返しそびれたレンタル品」みたいな役割を果たしてくれます。

逆に、買ったほうがいいもの

いつでも借りるのが正解、というわけではありません。

安くて小さくて軽いものは、買ったほうが早い。

滞在中ずっと毎日使って、あとで売れるものは、中古で買うのがお得です。

保証金、本人確認、配送日の調整。その手間がモノの値段より重いなら、素直に買ったほうがいいです。

レンタルが本当に活きるのは、その間にある扱いにくいもの。

かさばるもの、たまにしか使わないもの、高いもの。それも、使う期間がはっきりしているもの。

そこに絞って使えば、「持たずに暮らす」ことを本気で考えてきた街に住むよさを、いちばんわかりやすく実感できます。

よくある質問

借りるのに日本の住所と電話番号は必要ですか。

家具や家電、機材のレンタルなら、ほぼ必要です。シェアサイクルや一部のカメラレンタルは旅行者でも使いやすいですが、家まで届けてくれるサービスは、国内の住所と連絡のつく電話番号を求めるのが普通です。

保証金は取られますか。

サービスによります。家具のサブスクは保証金なしで月額を払うだけ、というところが多く、カメラや車、高額な機材はクレジットカードで与信枠を押さえるのが一般的です。

料金そのものより、壊したときや返却が遅れたときの条件のほうが厳しいことが多いので、そこを先に読んでおくと安心です。

予定より早く日本を離れる場合は。

最低利用期間がある契約なら、申し込む前に解約の条件を確認してください。

日割りにしてくれるサービスもありますが、してくれないところも多くあります。回収に立ち会いが必要な場合もあるので、日本にいるうちに引き渡しの日程を決めておきましょう。