Arrive & Settle

東京に着いてからの48時間:何を、どの順番でやるか

夕暮れに明かりが灯る東京駅丸の内駅舎

先に結論を言うと、最初の48時間で整えておきたいのは4つだけです。通信、交通、お金、それに安心して通話できる場所。

ほかのことは、3日目以降で十分間に合います。

着いたばかりで疲れるのは、たいてい時差ボケの午後に、引っ越しの用事を全部片づけようとするからです。

東京はそこまで求めてきません。計画が半分しかできていなくても、この街はかなり大目に見てくれます。大事なのは、残りの半分をどの順番で片づけるかだけです。

うまく着くコツは、たくさんこなすことではありません。やらなくていいことに先に手を出さないことです。

ひと目でわかるまとめ

いつやること
出発前Visit Japan Webに登録する
到着から2時間(空港)入国審査、荷物、SIMやeSIMのデータ通信、電車に乗る前に交通系ICカード
到着2時間から6時間実際に座る場所でネット回線を試し、何か食べ、こちらのふつうの寝る時間まで起きている
2日目の午前コンビニや郵便局のATMで現金を少し下ろす。自分の在留資格で何が必要か調べる
2日目の午後ふだん仕事をする場所、通話できる場所、逃げ場所を下見する
まだやらない着いた翌朝の大事な打ち合わせ、長期の契約、有名な観光地、買いすぎ

到着から2時間:空港でやることの順番

成田でも羽田でも、うまくいきやすいのは、入国審査、荷物、通信、交通の順です。いっぺんにやろうとせず、ひとつずつ進めます。

出発前に、デジタル庁の「Visit Japan Web」に登録しておくと、空港での手続きがぐっと短くなります。

入国審査と税関の申告を前もってオンラインで済ませておけば、空港ではQRコードを見せるだけ。ホールで紙のカードを書かなくて済みます。

在留カードが出る在留資格で入国するなら、ふつうは入国手続きのときに空港のカウンターで受け取ります。このあともあちこちで見せることになるので、バッグの奥にしまわず、すぐ出せるところに入れておきましょう。

SIMやeSIMは、到着ロビーを出る前に受け取るか、使えるようにしておきます。空港のWi-Fiにつないで有効化するeSIMがいちばん手間がかかりませんが、ターミナルを出る前に、本当にデータ通信ができるか確かめてください。

次は荷物です。

空港から都内の住所に送ってしまえば、大きなスーツケース2つを抱えてラッシュの電車に乗らずに済みます。ただ、すぐには届きません。

当日に届けてもらえるのは、午前から昼すぎまでに預けた荷物だけで、届け先もホテルなど一部の地域に限られます。それより遅く着いたなら、届くのは翌日以降なので、最初の夜に使うものは手荷物に入れておきましょう。

宿泊先が荷物を受け取れない場合は話が変わるので、先に確かめておいてください。

交通系ICカードは、ホームに着いてからではなく、電車に乗る前に用意しておきます。

iPhoneならApple WalletにSuicaを追加できますし、JR東日本の「Welcome Suica Mobile」アプリ(iPhone専用)も使えます。

Androidの場合、スマホにSuicaを入れられるかは機種しだいです。入れられなかったら、空港にあるJR東日本の旅行サービスセンターで、カードの「Welcome Suica」を買いましょう。

どちらにしても、到着ロビーで落ち着いて済ませるほうが、後ろに人が並んでいる改札前であわてるより、ずっと気が楽です。

到着2時間から6時間:部屋に入り、ネット回線を試す

都心までの電車は長いですが、そこで用事を片づけようとしないほうがうまくいきます。

宿に着いたら、まずネット回線を試してください。ルーターのそばではなく、実際に座って仕事をする場所で速度を測って、誰かと短いビデオ通話をしてみます。

回線が弱いなら、気づくのはいまがいちばんです。

今日なら、コワーキングのドロップインやデイユースの部屋で簡単に手が打てます。クライアントとの打ち合わせの朝に気づいたら、それはもう緊急事態です。

それから、何か食べましょう。駅の近くにはたいていコンビニがあるので、最初の一食はそれで十分。完璧な店を探すのは、今日でなくていいんです。

もうひとつ、ちゃんとやるべきなのは眠ることです。午後に日の光を浴びて、こちらのふつうの寝る時間まで起きていると、時差に体が慣れるのがかなり早くなる、という人が多いです。

2日目の午前:お金と手続き

日本では、初めて来た人が思っているより、まだ現金が必要な場面があります。小さな飲食店、昔ながらの喫茶店、一部のクリニック、町の商店などです。

海外のカードでお金を下ろすなら、コンビニや郵便局のATMがいちばん安定しています。この日の朝に少しだけ下ろしておけば、日々のちょっとした支払いで困ることはだいたいなくなります。

チェーン店や大きな店では、タッチ決済やQR決済がたいてい使えます。いちばん楽なのは使い分けです。ほとんどはカードとスマホで払って、その街らしい小さな店のために現金も少し持っておく。

銀行口座や携帯の契約、区役所での住民登録が必要になるくらい長くいるなら、2日目は「自分の在留資格だと何が必要か」を調べる日にしてください。全部済ませる日ではありません。

必要なものはビザの種類や区によって違うので、ここでリストをきちんと作っておけば、あとで無駄足を踏まずに済みます。

2日目の午後:仕事できる場所を探しておく

本格的に働きはじめる前に、3つの場所を下見しておくと安心です。

1つ目は、ふだん仕事をする場所。泊まっている部屋でも、実際に見に行ったコワーキングでも、1時間座ってみたカフェでもかまいません。

2つ目は、人に聞かれず通話したいときに行く場所。駅やオフィスビルのワークブース、デイユースの部屋、コワーキングの電話ブースなどです。近くに1つ知っているだけで、何度も繰り返す小さな不安がひとつ消えます。

3つ目は、前の2つがだめだったときの逃げ場所。図書館や美術館のカフェ、わりと静かなチェーン店あたりが定番です。

1つ頭に入れておけば、回線の調子が悪い日も「ちょっと面倒な日」で済んで、予定が全部崩れることはありません。

一度、この3か所を歩いて回ってみてください。東京の位置関係は地図を見ただけではなかなかつかめません。1回歩くほうが、1時間かけて計画を立てるより、よほど頭に入ります。

最初の48時間でやらないこと

着いた翌朝に、失敗できない打ち合わせを入れないこと。時差ボケと、まだ試していない仕事環境の組み合わせは分が悪すぎます。

長期の契約にサインしないこと。街の雰囲気は、朝8時と午後3時と夜11時でまるで違います。2日では、どの顔の街で暮らすことになるのか分かりません。

有名な観光地は、まだ後回しでいいです。逃げませんし、生活が落ち着いてから行ったほうが、ずっと楽しめます。

買いすぎないこと。忘れ物はたいてい、100円ショップやドラッグストア、リサイクルショップで安く手に入ります。あとで買えば、ちゃんと自分に合ったものを選べます。

よくある質問

SIMは空港で買うのと、eSIMを事前に用意するのはどちらがいいですか。

どちらでも大丈夫です。前もって買ったeSIMを空港のWi-Fiで有効化するのが、たいていいちばんスムーズです。うまくいかなかったときは、空港のカウンターに頼ればいい、くらいに考えておけば安心です。

大事なのは、ターミナルを出る前にネットにつながっていることです。

到着時にいくら現金を下ろせばいいですか。

大金はいりません。数日分のちょっとした買い物と交通費がまかなえれば十分です。

コンビニや郵便局のATMはあちこちにあるので、足りなくなったらまた下ろせばいいですし、持ち歩く額が少ないほど、財布をなくしたときの痛手も小さくて済みます。

実際、いつから本格的に仕事を始められますか。

2日目は軽めにして、3日目から本格的に働く人が多いです。そうしておけば、回線がだめだった、時差になかなか慣れない、手続きに必要な書類がバッグの中に置きっぱなしだった、なんてときにも慌てずに済みます。