東京でメガネとコンタクトレンズを手に入れる
いちばん役に立つことから書きます。東京では、壊れたメガネの買い直しはその日のうちに済む用事です。しかも、母国で同じことをするより安いことが多い。
ところがコンタクトレンズは、まったく逆です。日本ではコンタクトが医療機器扱いなので、たいていは先に眼科へ回されます。
この違いで、けっこうな人がつまずきます。どちらも同じ店で買えると思って行って、そうじゃないと気づくまでに午後がまるごとつぶれてしまう。
一日中画面を見て仕事をしているなら、何かが壊れる前に知っておいて損はありません。
ひと目でわかるまとめ
| メガネ | コンタクトレンズ | |
|---|---|---|
| どこで | 低価格のメガネチェーン、予約なし | 眼科とセットになったコンタクト販売店 |
| 検査 | その場で無料 | 先に眼科で診察と検査 |
| 時間 | 標準的な単焦点レンズなら一時間ほどのことが多い | メガネより多めに見ておく |
| 費用 | フレームの値段に標準のレンズ代も入っているのが基本。ひととおりそろって一万円台かそれ以下がよくある価格帯 | 日本の公的医療保険がなければ診察は全額自己負担。レンズは保険が効かないのが一般的 |
| 母国から | 処方箋と今かけているメガネを参考に持っていく | 手続きなしで持ち込めるのはだいたい2か月分まで |
メガネは医療ではなく、買い物
日本のメガネの買い方を変えたのは、低価格のメガネチェーンです。いまでは東京のどこにでもあります。
駅の構内にも、ショッピングモールにも、ふつうの商店街にも。
流れはどの店もだいたい同じです。予約なしで入ると、スタッフがその場で無料で視力を測ってくれて、フレームを選べば、標準的な単焦点レンズなら一時間ほどで仕上げてくれる店も多いです。
海外から来た人がいちばん驚くのは、たぶん値段のつけ方です。
低価格チェーンでは、フレームに付いている値段に標準のレンズ代も入っているのが基本です。
フレームの値段は入り口にすぎず、レンズを足すといつの間にか倍になっている。そんな国から来た人には、ちょうど逆に見えるはずです。
こうしたチェーンなら、ひととおりそろって一万円台かそれ以下、というのがよくある価格帯です。
ただ、値段は変わりますし、フレームのシリーズによっても違うので、ネットで見た数字はざっくりした目安と思ってください。
追加料金がかかるのは、だいたい想像どおりのところ。度の強い人向けの薄型レンズ、遠近両用、特別なコーティング、それに高めのフレームです。
よその国なら一大事に感じることを、ちょっとした用事にしてしまう。東京はそれがとても上手な街です。
視力測定と、手持ちの処方箋の扱い
たいていの店は、持っていった処方箋をそのまま使わずに、自分たちで測り直します。疑われているわけではありません。単にそういう流れになっているだけで、測定はたいてい無料です。
それでも、手持ちの処方箋は持っていきましょう。
スタッフが比べる材料になりますし、その日に限って測定がぶれたときにも助かります。長いフライトのあとや寝不足が続いた週には、これが意外とあるんです。
度数がふつうと違う、乱視が強い、遠近両用にしたい。そんな場合は、相談にも、レンズができあがるまでにも時間がかかると思っておいてください。
「即日仕上げ」は、在庫のある標準レンズの話です。何でもその日にできるわけではありません。
ちょっとしたコツをひとつ。壊れていても、今かけているメガネは持っていきましょう。古いレンズの度数やフレームのサイズをスタッフが読み取れるので、話がぐっと早くなります。
コンタクトはたいてい眼科を通る
短期滞在のリモートワーカーがいちばん引っかかるのが、ここです。
日本では、コンタクトレンズは法律上「高度管理医療機器」に分類されています。そのせいで、コンタクトの販売店はほぼ必ず眼科とセットになっています。同じビルの中か、ひとつ上の階にあることが多いです。
ふつうの流れは、まず眼科で診察と検査を受けて、処方をもらい、それから下の階で買う、という順番です。
メガネより時間は多めに見ておいてください。眼科は病院の受診と同じなので、待ち時間もあれば書類もあります。大きな駅の近くの人気のクリニックは、夕方からかなり混みます。
支払いは人によって変わります。日本の公的医療保険に入っていれば、診察の部分はいつもどおり保険で扱われます。
入っていなければ、全額自分で払うのがふつうです。あとで保険会社に請求するつもりなら、領収書をもらっておきましょう。
レンズそのものはただの買い物なので、どちらの場合も保険は効かないのが一般的です。
コンタクトは持参、メガネは現地で
つまり、メガネとコンタクトは、荷造りでも予定の立て方でも別ものとして考えるのが正解です。
メガネは、東京なら急に困っても何とかしてくれます。荷物の重さが気になるなら、重い予備を一本持ち歩く必要はあまりありません。
コンタクトは、日本に来る前に片づけておくほうが楽です。いつものレンズを持ってくれば眼科に寄らずに済みますが、持ち込める量には上限があります。
コンタクトレンズは日本では医療機器なので、自分で使う分として手続きなしで持ち込めるのは、だいたい2か月分まで。一日使い捨てなら60回分、交換期間が決まっているものは2か月分(2週間交換は4回分、1か月交換は2回分)、ケアしながら長く使うものは2ペアが目安です。
3〜6か月いるなら、2か月分を持ってきて途中で一度眼科に行くか、出発前に地方厚生局で輸入確認の手続きをしておきましょう。
途中で切らしてしまっても、大ごとではありません。半日あれば片づきます。
外国人の多いエリアなら英語のできるスタッフがいる店もありますし、そうでなくても翻訳アプリで案外なんとかなります。出てくる言葉が限られていて、同じやりとりのくり返しだからです。
ブルーライトカットとドライアイ
ブルーライトカットのレンズは、日本ではかなり力を入れて売られています。たいていは高いアップグレードではなく、安い追加オプションとしてすすめられます。
目の疲れに本当に効くのかは、正直なところ研究でも意見が分かれています。なので、あまり深く考えなくて大丈夫です。安く付けられて気になるなら、試してみても損はほとんどありません。
それより、地味な話のほうが大事だったりします。
東京は、冬は部屋がからからに乾くし、夏はコワーキングのエアコンが効きすぎていて、どちらにしても目が乾きやすいんです。防腐剤の入っていない目薬(人工涙液)は、どの薬局でも簡単に手に入ります。
長く滞在するリモートワーカーが、結局こちらでメガネとコンタクトを両方持つようになるのは、たぶんこのあたりが理由です。
ジムではコンタクト、八時間の画面仕事にはメガネ。そんな使い分けに落ち着いていきます。
よくある質問
東京では本当にその日のうちにメガネができますか。
たいていはできます。
低価格チェーンなら、度数がふつうでレンズの在庫があれば、一時間ほどで単焦点レンズのメガネを仕上げてくれることが多いです。度の強いレンズや遠近両用、特別なコーティングを選ぶと、時間ではなく日数がかかります。
日本でコンタクトを買うのに処方は必要ですか。
法律で義務になっているわけではありません。
コンタクトは高度管理医療機器なので、お店は眼科にかかっているかを確認して、かかっていなければ受診をすすめることになっています。でも、処方箋がないと買えないという決まりはありません。
ただ実際には、多くのお店が同じビルの提携クリニックでの検査に案内するので、メガネより時間がかかると思っておいてください。
使っているレンズの銘柄と度数がはっきりわかっていれば、検査なしで同じものを売ってくれるお店や通販もあります。それでも、一度眼科で診てもらうのがいちばん安全です。
母国の処方箋はそのまま使えますか。
そのまま作るのではなく、お店で測り直すのがふつうです。度数の書き方や測り方が国によって違う、というのも理由のひとつです。
それでも参考として持っていく価値はありますし、今かけているメガネがあれば一緒に持っていきましょう。