日本のデジタルノマドビザ完全ガイド【2026年・要件と申請】
日本のデジタルノマドビザは2024年に始まった制度で、海外の雇用主やクライアントの仕事をしながら、最長6か月日本に滞在できます。要件は3つ。本人の年収が1,000万円以上あること、出入国在留管理庁の一覧にある51の国・地域のいずれかの国籍であること、そして滞在中ずっと有効な民間の医療保険に入っていることです。
更新はできません。ルールは変わることがあるので、申請前に必ず公式情報で最新の内容を確かめてください。
このビザでできることは?
デジタルノマドビザで認められる滞在は最長6か月。日本にいるあいだ、海外の雇用主やクライアントのためにリモートで働くことがはっきり認められています。対象は、日本国外の会社や契約から収入を得ている人です。日本企業に雇われて国内で働くためのビザではありません。
いちばん注意したいのは、更新できないことです。一度出国したら、出国から6か月たつまでは同じ在留資格で戻ってこられません。
出入国在留管理庁のQ&A(2024年7月時点)には、ノマドが実際に迷いがちな点への答えが載っています。
- 日本国内の相手とは契約できない。 日本の会社や個人と、雇用契約や請負契約などを結んで働くことはできません。滞在中に知り合った相手でも同じです。
- 国内の移動は自由。 滞在中にいくつかの街を移りながら暮らしても、特別な手続きは要りません。
- 途中で海外へ出られる。 再入国許可かみなし再入国許可で一時的に出国し、在留期限までに戻ってくれば、この在留資格はそのまま保てます。
- 個人事業主は利益で見る。 年収1,000万円かどうかは、契約金額ではなく、経費を引いた利益で判断されます。複数の取引先からの安定した収入は合算できます。
対象になるのは誰?
大事な要件は2つです。1つ目は収入。
申請の時点で、本人の年収が1,000万円以上あることを示す必要があります。基本的には直近の年収で判断されます。
2つ目は国籍です。日本と租税条約を結んでいて、かつビザなしで入国できる国・地域の人が対象です。出入国在留管理庁の対象国・地域一覧には、2026年10月に確認した時点で51の国・地域が載っていて、米国・カナダ・英国・オーストラリア・シンガポール・韓国・台湾・香港などが入っています。
パスポートは、日本に滞在する予定の期間中ずっと有効でなければいけません。通常の旅券に一律の「残存6か月以上」というルールがあるわけではありません。ただ、緊急用の旅券などの特殊な渡航文書には別の条件がかかることがあり、航空会社や経由する国にも独自の条件があるので、申請先の大使館・総領事館で確かめておきましょう。そのうえで、日本国外で登録された会社のために、事業主・従業員・フリーランスのいずれかとしてリモートで働いていることが条件になります。
保険の要件
デジタルノマドビザで滞在する人は、日本の国民健康保険に入れません。そのため、滞在期間をまるごとカバーし、死亡・けが・病気に対応した民間の医療保険が必須です。けがや病気の治療費の補償額は1,000万円以上と決まっています。死亡については、遺体の輸送費か死亡保険金が補償に含まれていればよく、金額の決まりはありません。予算に入れておきましょう。
在留カードが出ないことで困る場面
この在留資格では在留カードが出ません。地味に見えますが、ここでつまずく人が多いんです。日本の賃貸の入居審査はふつう在留カードがある前提で、ゆうちょ銀行のように、在留カードのない外国人の口座開設を受け付けていない銀行もあります。
住まいはパスポートで契約できるマンスリーマンションやサービスアパートを探す。お金は自国のカードを使い続ける。通信は契約回線を当てにせず、旅行者向けのeSIMかプリペイドで用意する。これが現実的なやり方です。
もうひとつ、同じQ&Aに載っている実務的な注意があります。海外から持ってきたWi-FiやBluetoothの機器は、日本の「技術基準適合マーク」(技適マーク)がない場合、使えるのは原則として入国から90日以内です。6か月滞在するなら、スマホ・PC・ルーターにマークがあるか、出発前に確かめておきましょう。
ビザ vs 観光入国:どちらが必要?
ビザ免除国から来るノマドの多くは、短い滞在ならふつうに観光で入国しています。内閣府の資料では、海外企業に勤める外国人がリモートワークをしながら日本で観光を楽しむケースを「短期滞在」、最長90日と整理しています。目的はあくまで観光で、リモートワークはそれに付いてくるもの、という位置づけです。日本で暮らしながら働くための資格ではありませんし、入国できるかどうかは入国審査官がそのつど判断します。自分の場合が当てはまるかは実際に何をするか次第なので、迷ったら渡航前に出入国在留管理庁か日本の大使館・総領事館に問い合わせてください。
デジタルノマドビザが役に立つのは、6か月というはっきり決まった長めの滞在をしたくて、収入と保険の条件も満たしている場合です。滞在が短い、あるいは収入が基準に届かないなら、ふつうの観光入国のほうが合っていることもあります。
申請の前に
ビザは、住んでいる地域を管轄する日本の大使館・総領事館で申請します。出入国在留管理庁のページには、日本国内でこの在留資格に切り替える手続きは載っていません。観光で入国してから切り替えればいい、という計画は立てないでください。日本に申請の代理人がいないため、海外にいる人は滞在地の大使館・領事館で直接ビザを申請するよう、Q&Aで案内されています。出入国在留管理庁が出す在留資格認定証明書(COE)は手段のひとつですが、それしか道がないわけではありません。外務省の案内では提出書類のひとつに挙がっていて、COEがあれば活動予定・年収・保険の書類は出さなくて済みます。COEがなければ、それらを自分で出します。必要な書類は申請先の大使館・総領事館で正確に確かめて、日本に着いてからではなく、出発前にそろえるつもりで準備してください。
税金については、Q&Aによると、日本での活動で得る報酬は、多くの場合、租税条約の要件(たとえば日本での滞在が課税年度または継続する12か月で合計183日以下)を満たせば、日本では課税されません。要件は条約ごとに違うので、自分の国の条約については税理士に確認してください。
入管のルールは変わりますし、事情も人それぞれです。ここに書いたことは法的な助言ではなく、一般的な情報として読んでください。最新の要件は外務省と出入国在留管理庁のサイトで確かめ、込み入ったケースなら入管やビザの専門家に相談するのも手です。
最初に在留資格をきちんと整えておけば、東京での毎日はそのぶんずっと楽になります。
到着してからの手続きは、通信(SIM/eSIM)の設定と銀行・お金のガイドも参考にしてください。
よくある質問
日本のデジタルノマドビザでどれくらい滞在できる? 最長6か月です。
更新はできず、同じ資格でもう一度滞在できるのは、出国から6か月たってからです。途中の短い海外旅行は、再入国許可かみなし再入国許可で出国し、在留期限までに戻ってくれば、この在留資格のままでいられます。
年収要件はいくら? 本人の年収で1,000万円以上です。個人事業主の場合は、経費を引いた利益で判断されます。
家族を連れて行ける? 連れて行けます。配偶者と子どもは家族向けの在留資格(特定活動54号)で最長6か月滞在できます。こちらも更新はなく、在留カードも出ません。本人と同じ条件の医療保険も必要です。家族のほうの対象国・地域の一覧は、本人の一覧より広くなっています。
最新のルールは公式情報で確認してください。