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東京のスーパー活用ガイド:ノマドの食費を静かに下げる買い物術

手書きの値札が付いた野菜や果物が並ぶ、日本の青果売り場

東京の生活費をいちばん手っ取り早く下げる方法は、食べるものを我慢することではありません。ここに住んでいる人と同じ店で買うことです。

近所のスーパーに週に二、三回寄る。それだけで、安い店を探して歩き回るより、ひと月の予算にずっと効いてきます。

食材はおいしいし、量もごまかしがない。売り場の並びさえ覚えてしまえば、買い物は十五分ほどで終わります。

コンビニが助けてくれるのは目の前の一時間。スーパーが助けてくれるのは、ひと月まるごとです。

食費を抑えるならスーパー

東京の外食は安い、とよく言われます。だからこそ、自炊なんて考えもしないまま過ごすリモートワーカーが多いんです。

でも、お昼は定食、夜はコンビニ、という毎日を続けていると、いつの間にか月の出費のなかでもかなり大きな額になっています。

これをスーパーでの買い物に切り替えると、金額ははっきり変わります。それまでの使い方にもよりますが、三分の一くらい減ることも珍しくありません。

もうひとつ、目に見えにくいいいこともあります。冷蔵庫に何か入っていれば、せっかく集中できているときに、食べ物を買いに出て二十分つぶさずに済むんです。

スーパーのチェーンと価格帯

東京のスーパーには、なんとなく値段の格があります。いま自分がどのあたりの店にいるのかが分かっていると、値札を見て迷うことが減ります。

安いほうは、OKストア、業務スーパー、肉のハナマサ、それに大型のイオンやイトーヨーカドー。大容量のものや冷凍食品が得意で、値段は低め。見た目の華やかさはあまりありません。

真ん中は、ふだん使いの街のスーパーです。ライフ、サミット、マルエツ、いなげや、東急ストア。

野菜がよくて、お惣菜の売り場も充実しています。住宅地の駅なら、たいていどれかが近くにあります。

いちばん上は、成城石井や紀ノ国屋、それに百貨店のデパ地下。輸入食品やいいものがそろっていますが、値段はしっかり高いので、ほどほどにしておくのが賢明です。

安いチェーンでまとめ買いをして、足りないものは近所の店で買い足す。結局この組み合わせに落ち着く人が多く、仮住まいのキッチンならこれで十分まわります。

値引きシールと、行く時間帯

日本のスーパーでいちばん役に立つ習慣は、黄色や赤のシールに目を光らせておくことです。

お惣菜、お刺身、お弁当、パンは、閉店が近づくにつれて少しずつ値下げされていきます。最初は小さな割引で、時間がたつほど大きくなります。

時間は店によって違いますが、いちばん安くなるのはたいてい夜遅めの時間帯です。朝つくったお惣菜に、お昼すぎに小さめの値引きを入れる店もあります。

覚える言葉はほんの少しです。「20%引き」と「2割引」はどちらも20%オフ、「100円引き」は100円安く、「半額」はそのまま半分の値段です。

裏技でもなんでもありません。お店のほうもそのつもりでいるし、常連さんはその時間を狙って来ます。日本のスーパーの一日は、そうやって終わっていくんです。

本当に安いもの

東京の物価は、これまで住んできた国の感覚とそのままは重なりません。日本が得意な食材を中心に買うと、出費がぐっと落ち着きます。

卵、豆腐、納豆、麺類、それに魚介類は、たいていお買い得です。安いものでも品質がかなり高いのがうれしいところ。

ただ、お米だけは別で、ここ数年で値段が大きく動いたので、思い込まずに値札を確かめてください。

野菜は、旬のものなら手ごろです。入口近くに山積みになっているものを選べば安く、季節外れのものを買おうとすると一気に高くなります。

果物、牛肉、チーズ、輸入食品は高めです。毎日のものではなく、たまのお楽しみにしておけば、週の合計が膨らみません。

冷凍野菜やカット野菜は、旅行者にはつい軽く見られがちですが、かなり頼りになります。狭いキッチンでは、これがあるかどうかで、つくるか出前に頼るかが決まることも多いです。

狭いキッチンで料理する

東京の短期の物件やシェアハウスは、IHかガスのコンロがひと口、小さな流し、それに調理台はほぼなし、というのがよくある形です。

見た目ほど困りません。日本の家庭料理は、もともとこういう台所でつくられてきたものだからです。

土鍋か深めの鍋がひとつあれば、汁物も鍋料理も麺もご飯もつくれます。あとは使いやすいフライパンが一枚あれば、だいたい足ります。

お米、味噌、醤油、みりん、だしパック、それに冷凍野菜。これだけそろっていれば、十分ほどで一食できあがります。

炊飯器があれば使ってください。なくても、ふたのある鍋で問題なく炊けますし、スーパーには十分おいしいパックご飯も売っています。

レジ袋、値札、会計のしかた

袋は持っていきましょう。レジ袋は数円かかりますし、レジは思っているよりさっさと進みます。

値札は二度見てください。税抜(本体価格)と税込が並んで書かれていて、税抜のほうが大きく書いてあることもあります。

払うのは税込の金額で、飲食料品の多くは8%、お酒や洗剤などの日用品は10%です(2026年10月に閣議決定された法案では、成立すれば2027年4月から2年間、飲食料品の税率を8%から1%に下げます。滞在するときの税率は国税庁の最新案内で確かめてください)。

袋詰めは自分でしますが、レジの台ではやりません。お会計を済ませたら、レジの後ろにある台へかごを持って移動します。広さも十分あって、テープも自由に使えます。

いまはたいていの店で交通系ICカードやQR決済が使えます。

ただ、安いチェーンだと店によって使えるものがまちまちです。たとえば業務スーパーは、支払い方法が店舗ごとに違うことがあるので、かごをいっぱいにする前にレジの表示を見ておくと安心です。

ポイントカードは毎回のように聞かれます。断ってもまったく問題なくて、「大丈夫です」と言えばそれで終わります。

仮住まいの冷蔵庫は、共用だったり小さかったりします。週末にどーんとまとめ買いするより、二、三日分ずつ買うほうが、結局うまくいきます。

買い物を一週間に組み込む

長続きするのは、作り置きの仕組みではありません。ちょっとした寄り道を習慣にすることです。

カフェやコワーキングからの帰りに、スーパーに寄る。時間はほとんどかからないのに、夜になって「何食べよう」と悩むことがなくなります。

週に二回だけ簡単なものをつくって、あとは外で食べる。それで十分です。大事なのは自炊という選択肢を持っておくことで、ちゃんとやれていると証明することではありません。

東京でひと月過ごすころには、この習慣の効き目が二つの形で見えてきます。使ったお金と、ごはんのことで一日の流れが途切れた回数の少なさです。

よくある質問

東京のスーパーは本当に外食より安いですか。

たいていのリモートワーカーにとっては安くなります。ただ、もともとコンビニと定食で済ませていた人ほど、差は小さくなります。

節約の効果が大きいのは、夕食を置き換えることより、朝ごはんや飲み物、おやつのほうです。

日本語ができなくても買い物できますか。

できます。値段も内容量も数字ですし、パッケージは見ればだいたい分かります。レジでのやりとりも短くて、言うことはだいたい決まっています。

原材料やアレルギーの表示が気になるときだけ、翻訳アプリがあると安心です。

キッチンがまったくない場合はどうすればいいですか。

それでもスーパーは使えます。

お惣菜の売り場は、特に夜の値引きのあとなら、同じお金でコンビニの棚から選ぶより、おいしくて安いことがほとんどです。自由に使える電子レンジを置いている店もあります。