Work & Stay

東京でノートPCが壊れたら:修理・買い替え・仕事を止めない方法

裏蓋を開けてファンとバッテリーが見える、修理マットの上のノートパソコン

まず、ほっとする話から。ノートPCが壊れたとき、そこが東京だったなら、かなり運がいいほうです。

部品は手に入るし、店もたくさんあります。予算があればその日のうちに買い替えることもできて、つなぎのマシンもすぐ見つかります。

むずかしいのは、たいてい機械そのものではありません。書類、日本語の受付票、そして「そのPCを日本以外で買っている」ということです。

東京はノートPCを直すのは速いけれど、保証についての思い込みを直すのはそれほど速くありません。

まず、データ・修理・仕事の3つを分けて考える

PCが動かなくなると、3つの問いがいっぺんに絡まります。これをほどくのが、実は作業の大半です。

データは取り出せるか。このPCは修理できるか。今週の仕事は回せるか。

答えも急ぎ具合も、それぞれ違います。クライアントが気にするのはたいてい3つ目なので、まずはそこを片づけましょう。レンタル、ネットカフェ、安いつなぎの端末。どれでもかまいません。残りのふたつは、それから落ち着いて考えれば大丈夫です。

初日にあわてて買い替えると、このあと2年間、どうにもなじめないキーボード配列と付き合うはめになりかねません。

Apple:予約するか、正規サービスプロバイダへ

まず頭に浮かぶのは、銀座や新宿のApple Storeでしょう。それでもいいのですが、都心のジーニアスバーは予約が埋まりやすく、特に週末に予約なしで行くのは賭けです。

街を移動する前に、オンラインで予約しておきましょう。サポートサイトでもApple サポートアプリでも予約でき、どちらも英語で使えます。

もう少し落ち着いて相談できるのが、Apple正規サービスプロバイダです。都内にいくつかあって、大型家電量販店の中や近くにあることが多く、旗艦店より待ち時間が短めです。

AppleCareやAppleの限定保証は、基本的に国をまたいで使えます。ただ、どこまで対象になるか、何日かかるかは、機種や日本にある部品の在庫で変わります。「たぶん大丈夫」で動かず、自分の場合を確認してから行きましょう。

パスポートと、あれば在留カードも持っていきます。購入記録もスマホで出せるようにしておくと、話が早いです。

Windows、Linux、Apple以外のすべて

ビックカメラやヨドバシカメラのような大型量販店には修理の受付カウンターがあり、その店で買っていないPCも受け付けてくれることがあります。ただし条件は店ごとに違い、海外モデルは断られたり、時間がかかると言われたりします。

専門店が集まっているのは秋葉原です。基板レベルの修理、画面やバッテリーの交換、データ復旧まで手がける店があり、古い機種や変わった構成にも慣れています。

使えるなら、メーカーの国内サポートがいちばんすっきりした方法です。とはいえWindowsノートの国際保証は、Appleほどそろっていません。海外で買ったものでも対応するブランドもあれば、買った地域でしか受け付けないところも、有償修理としてなら快く引き受けてくれるところもあります。

有償修理になっても、失敗ではありません。来月どこか別の国で無料で直すより、今週お金を払って直るほうが、仕事にはずっと助かります。

日本語の受付書類をどう乗り切るか

受付票はたいてい日本語です。ここで手が止まる人が多いんです。

症状の説明は、行く前に日本語で用意しておきましょう。スマホに一段落ぶんの文章を用意して見せれば、だいたい足ります。何が起きたか、いつからか、自分で試したこと、落としたり濡らしたりしたかどうか。

そして、データを残したいかどうかははっきり伝えてください。いちばん大事な一行なので、一語一句きちんと訳しておく価値があります。

その場で答えが出るとは思わず、診断料と、診断に何日かかるかを告げられるつもりでいてください。日本のお店は、控えめに約束して、期日どおりきっちり仕上げてくることが多いです。

今日中に買うなら

秋葉原や、新宿・池袋の大型店、ヨドバシの旗艦店なら、その日の午後には使えるPCが手に入ります。

払う前に、確認しておきたいことが2つあります。

ひとつはキーボード配列。日本で売られているノートPCの多くはJIS配列で、スペースキーが短く、記号の位置も違います。US配列もありますが、取り寄せになる店と在庫がある店があるので、はっきり聞いてください。

もうひとつは免税です。2026年10月31日までの購入なら、これまでどおり店頭で免税になります。11月1日以降の購入からは、短期滞在の訪日客向けの免税がリファンド方式に変わります。店では消費税込みの値段で払い、日本を出るときに空港や港の税関でパスポートと購入品を見せて持ち出しの確認を受け、そのあとで税金が戻ってきます。確認は購入から90日以内に受ける必要があるので、長い滞在の最初のほうに買ったPCは対象外になることがあります。日本に住んでいる人は対象外です。詳しくは観光庁の案内を見てください。当てにはせず、戻ってきたらラッキーくらいに考えておくのが無難です。

整備済品や中古も、十分ありな選択肢です。日本の中古市場は状態の表示がとても細かく、そこそこのスペックの中古なら、自分の国に戻って保証を使えるようになるまでのつなぎとしてしっかり働いてくれます。

修理のあいだ、PCなしで働く

ネットカフェなら、PCと画面のついた個室があって、ドリンクも飲み放題です。ブラウザでできる作業やメールの整理なら、これで十分。東京都の条例で本人確認が義務になっているので、会員登録のときにパスポートを見せることになります。

コワーキングスペースはドロップインで使えますし、機材を貸してくれるところもあります。短期で機材を借りられるレンタルサービスもありますが、日本の住所や支払い方法を求められることが多いです。

スマホが無事なら、iPadや安いタブレットにキーボードケースをつけるだけで、普段の仕事の一日が思った以上にこなせます。

クライアントには早めに連絡しましょう。初日に一行送っておくほうが、4日目に完璧な説明をするより、ずっと信頼してもらえます。

壊れる前にやっておく備え

ここまでの話は、仕事のデータがカバンの中の1枚のディスクにしか入っていない、という状態でなければ、ぐっと楽になります。

進めているプロジェクトのフォルダは、クラウドで同期しておく。パスワードマネージャーは、どのブラウザからでも開けるようにしておく。二段階認証のリカバリコードは、壊れたノートPC以外のところに保存しておく。

そして、シリアル番号と購入日のメモ。2分で済むのに、いざ必要になったとき、ほとんどの人が持っていないのがこれなんです。

よくある質問

海外で買ったPCの保証は日本で使えますか

使えることもあります。Appleの保証はわりと国をまたいで使いやすいほうですが、機種や部品の在庫で条件は変わります。Windows系はブランドによってかなり違い、買った地域でしか対応しないところもあります。PCを抱えて街を移動する前に、メーカーの日本のサポートに確認しておくと確実です。

起動しないドライブからデータは取り出せますか

取り出せる可能性はあります。都内、特に秋葉原には専門のサービスがあります。診断、見積もり、それから待ち時間、という流れになると思っておいてください。受付のときに「早く直すより、データを残すほうを優先したい」とはっきり伝えましょう。この2つは、ときどき両立しないことがあるからです。

ひとつ大事な例外があります。Apple シリコンや T2 チップの Mac は、内蔵ストレージがその Mac のセキュリティチップにある鍵で暗号化されています。基板そのものが壊れてしまうと、復旧業者でも取り出せないことが多いんです。普段からクラウドで同期しておくことが大事なのは、このためです。

修理と買い替え、どちらが安いですか

PCの古さと、壊れた部品しだいです。画面やバッテリーなら、たいてい直す価値があります。古いノートでロジックボードが壊れた場合は、そうとも限りません。日本の中古PCはちょうどその中間にあたるので、どちらにするか決める前に、一度値段を見ておくと判断しやすくなります。