Explore Japan

中目黒でリモートワーク、暮らしとカフェの実用ガイド

やわらかな春の光の中、中目黒の目黒川に枝を伸ばす桜

中目黒が合うのは、静かで歩いて暮らせる拠点がほしくて、そのぶん家賃が少し高くてもかまわない人です。

目黒区の目黒川沿いにあって、渋谷からは東急東横線で2駅(3〜5分ほど)。日比谷線の駅もあります。ここに住むいちばん現実的な理由はこれです。大きなターミナルまで数分なのに、ターミナルの真ん中に住まなくていい。

平日は静かです。週末は、特に3月下旬から4月頭は、まったく別の街になります。

本当の魅力は、桜より立地

満開の桜の下を流れる目黒川と、奥に見える中目黒駅の高架

中目黒の紹介は、たいてい桜とコーヒーから始まります。どちらも本当にいいものです。でも観光ではなく仕事の拠点として見るなら、見るべきところは別にあります。

ありがたいのは、電車の便です。

日比谷線は恵比寿、六本木、銀座を通って、秋葉原や上野のほうまで行きます。クライアントとの打ち合わせ先は、だいたいこの沿線で足ります。東横線なら渋谷まで3〜5分ほどで、南は横浜まで。相互直通で副都心線方面にもつながっています。

都心のどこで対面の予定が入っても、一日の段取りを組み直さずに受けられるんです。

もうひとつは、街が小さいこと。

川沿いのメインの通りは、端から端まで歩いて20分ほど。その裏の住宅街は、川から離れるにつれてゆるやかな坂になっていきます。3日もいれば、だいたいの道は頭に入ります。渋谷や新宿ではそうはいきません。

道を覚えてしまえば、街のことを考えずに済むようになる。働く拠点に求めるのは、だいたいそれくらいです。

カフェで仕事はできるか

カフェはたくさんあって、コーヒーも本当においしい。ただ、そこで「働ける」かどうかは、また別の話です。

川沿いの有名店の多くは、小さくて人気があり、さっと寄って帰る客を想定しています。カウンター席が中心で、電源は少なく、4時間居座ることはまず考えられていません。

意地悪をしているわけではないんです。店が狭くて、外に行列ができているだけで。

おすすめは、一日を分けて使うこと。

午前は川沿いの店で90分だけ集中して、午後は長居しても大丈夫な店に移る。長時間の作業なら、駅前のチェーン店のほうが向いています。

座る前に店をどう見極めるかは、リモートワーク向けカフェの記事にまとめました。中目黒でもそのまま使えます。

それと、このあたりの個人店には、月に一度平日に休む店や、季節で営業時間が変わる店があります。歩いて向かう前に確かめておくと、無駄足になりません。

コワーキングは少ないので、恵比寿も使う

中目黒にもコワーキングはありますが、正直、数は多くありません。小さなスペースやドロップインできる場所はあるものの、街の中心はあくまで住まいとセレクトショップです。

専用デスクや電話ブース、急な会議室が必要なら、日比谷線で一駅の恵比寿のほうがずっと選べます。反対方向に東横線で3〜5分ほどの渋谷なら、もっとあります。

これはこれで悪くありません。静かな場所に住んで、にぎやかな街まで数分かけて働きに出る。たいていは、その逆よりずっと楽です。

滞在にかかる費用

中目黒は安い街ではありません。家賃は東京の平均より上で、マンスリーマンションやシェアハウスも、ほかのエリアの同じ広さの部屋より高めです。

金額はしょっちゅう変わるので、どこかで見た数字はあくまで目安にしてください。あまり変わらないのは、ほかの街との位置関係のほう。同じ広さなら、東側や西側より高くつくと思っておきましょう。

食費も似ています。川沿いの飲食店は街の評判ぶんの値段がついていますが、スーパーや、川から何本か入った通りの店はふつうの値段です。

自炊を中心にして、外食はときどき。それなら差はかなり小さくなります。

桜の2週間は混雑する

桜の季節、夕暮れの目黒川沿いに灯るちょうちん

春の2週間ほど、目黒川は東京でいちばん写真を撮られる場所のひとつになり、街も一気に混みます。

その間は、メインの通りはまともに歩けないし、カフェは満席。駅前のコンビニでは、夕方には日用品が品薄になります。

本当にきれいなんです。それでも締め切りを抱えているなら、備えておいたほうがいい。仕事を始める時間を早めて、週末の前に買い物を済ませ、移動は川沿いではなく住宅街の道を使いましょう。

それ以外の時期は、こんな心配はいりません。

日々の買い物と用事

中目黒の高架近くにある、小さな店や飲食店が並ぶ通り。頭上には桜

ふだんの用事は、駅のまわりでだいたい片づきます。スーパー、ドラッグストア、コンビニ、コインランドリーはどれも歩いてすぐ。足りないものは目黒か恵比寿で買えます。

緑は少なめです。川沿いの遊歩道は気持ちいいけれど幅が狭く、公園というより歩くための道。ランニングや、もう少し長く外で過ごしたいときは、駒沢オリンピック公園のほうへ行くか、人が増える前の早朝に川沿いを走る人が多いです。

まわりの街を歩いて回るのにも便利です。代官山は坂を上って15分ほど、恵比寿はもう少し先。祐天寺までは、静かな道を20分ほど歩けば着きます。

向いている人、向いていない人

向いているのは、落ち着いた住宅街に住みたくて、電車より歩くことが多くて、それでも都心にはすぐ出たい人です。

街をすぐ覚えられるので、短い滞在でも十分に使えます。

向いていないのは、予算をいちばんに考える人。費用が最大の条件なら、東側のほうが同じお金で広い部屋に住めます。エリアごとの向き不向きは東京エリア完全ガイドにまとめています。

同じような静けさをもう少し安く探すなら、東京の反対側にある清澄白河が近い雰囲気です。

よくある質問

東京での最初の滞在先に中目黒はありですか。

ありです。ただ、ひとつだけ気をつけたいことがあります。静かで迷いにくいのは来たばかりのころには助かりますが、英語で対応してくれるサービスは渋谷や六本木より少なめです。慣れるまで手助けがほしいなら、最初の数週間はもう少し都心に寄ったほうが楽かもしれません。

夜はうるさいですか。

平日なら、東京としては静かなほうです。金曜と土曜の夜は川沿いの店に人が集まるので、川に面した部屋は、裏の住宅街側の部屋より音が聞こえます。

桜の時期は避けるべきですか。

避けなくても大丈夫ですが、心づもりはしておきましょう。混むのは川沿いの遊歩道で、ピークは週末の午後です。朝や裏通りなら、その時期でもだいたい普通に動けます。