Arrive & Settle

長期契約なしで通える東京のジムとプール

清潔なタイル床と大きな窓からの自然光、整然と並んだマシンが見える東京の公共ジムとプール

数週間から数か月だけ東京にいる人への結論から書きます。大手ジムの入会は見送って、区のスポーツセンターを使ってください。

東京のほぼすべての区が自前の公共ジムとプールを運営していて、多くは予約なしの当日利用ができ、1回あたりの料金は数千円ではなく数百円が目安です。ただし、誰でも使えるとは限りません。トレーニングルームを区内在住・在勤・在学の人に限る区もあるので、行く前に対象者、事前登録、初回講習の有無を確かめてください。

このローカル知識ひとつで、多くのノマドが最初の一週間でぶつかる問題はだいたい解決します。

とはいえ、その問題自体は本物です。東京の民間ジム市場は、1年単位で契約する住民を前提に組み立てられています。

日本の銀行口座からの口座振替、国内の住所、入会金、最低契約期間。六週間で去る人には、どれもかみ合いません。

東京にはトレーニングできる場所があふれています。ただ、いちばん目につく場所が、いちばん入りにくいだけです。

基本は区のスポーツセンター

東京23区はそれぞれ公共のスポーツ施設を運営しています。名称はスポーツセンターや体育館が一般的です。

規模の大きい区では複数あります。ただし、すべての施設にプールとトレーニングルームがそろっているわけではないので、行く前に設備を確認してください。

典型的な施設には、有酸素マシンとウエイトがあるトレーニングルーム、プール、バドミントンや卓球、フットサルに使う多目的ホールが入っています。

短期滞在にとって魅力なのは支払い方法です。その場で1回ごとに払う仕組みで、契約も銀行口座も不要です。

料金は区によって違い、改定もあるので、最新の金額は各施設のページで確認してください。目安として、トレーニングルームやプールの1回利用は数百円台に収まることが多く、東京でもっともコストパフォーマンスの高いもののひとつです。

区外在住でも使える施設はあります。ただし区民のほうが安かったり、予約で優先されたりする場合があり、区によっては利用そのものが区内在住・在勤・在学の人に限られます。たとえば練馬区のトレーニングルームは、初回講習の対象が区内在住・在勤・在学の15歳以上(中学生を除く)で、講習は1時間半ほどかかります。短期滞在者が使えるかどうかは、施設のページで対象者を先に確認してください。受付で確認されることもあるので、パスポートか在留カードを持っていくと安心です。

初回をスムーズにするコツもいくつかあります。屋外で履いていない室内用のシューズが必要な施設が多く、入口で履き替えるよう案内されます。

初めてトレーニングルームを使う前に、説明会や講習を受ける必要がある施設もあります。練馬区のように1時間半ほどかかる例もあるので、初日はその時間も見込んで行くのがおすすめです。

タオルは基本的に貸し出しがなく、ロッカーは100円玉が必要なタイプ(解錠時に戻ってくる方式)のこともあります。

プールと、そこにあるルール

東京の公共プールは質が高く、平日の日中はすいていることが多いので、リモートワークの生活リズムとよく合います。

ほとんどの施設で水泳帽が必須です。ここは例外がないと考えてよく、忘れた場合も安価なものを販売していることが多いです。

コースは泳ぐ速さで分かれているのが一般的で、水中ウォーキング用のコースが設けられていることもあります。入水前にコース端の表示を読んでおきましょう。

1時間ごとに10分ほど、全員がいったん水から上がる休憩時間を設けている施設も多くあります。最初は不思議に感じますが、慣れると心地よいリズムになります。

タトゥーは公共プールや一部のジムでは今も現実的な制約になります。施設ごとに方針が異なり、少しずつ緩やかになってはいますが、テープで隠すかラッシュガードを着るのが実務的な回避策です。受付で断られてから困らないよう、事前に施設のルールを確認しておくとよいです。

民間チェーンと、柔軟に使える選択肢

欧米のジムに近い環境が欲しい場合、従来型の大型クラブより短期滞在に向いた選択肢がいくつかあります。

24時間チェーンでは、日本でも国際的に知られているエニタイムフィットネスが代表格です。店舗ごとのオーナー制なので、条件や入会金、最低利用期間は店舗によって変わります。

全国一律の方針だと決めつけず、通いたい店舗に直接聞くのが確実です。数か月なら柔軟に対応してくれる店舗もありますし、母国で加入している会員資格が条件つきで日本の店舗でも使える場合があります。支払う前に確認しておく価値があります。

日本各地で急拡大した低価格の手軽なチェーンも、もうひとつの選択肢です。もっとも目立つのはchocoZAPでしょう。

駅近の路面店に入った、スタッフ常駐ではない小規模でマシン中心のスペースで、価格帯は安く、申し込みはアプリで完結します。アプリの登録ではSMS認証用の電話番号を求められることがあるので、自分の番号で通るか先に確かめておきましょう。設備は限られ、シャワーがない店舗も多いので、本格的なウエイトよりも維持のためのトレーニング向きです。

コナミスポーツ、ティップネス、ルネサンスといった総合型クラブは、プールやスタジオレッスンを含めて設備がもっとも充実しています。一方で契約の柔軟性は低く、入会金がかかることも多いです。

ただし、都度利用や短期プラン、すいている時間帯限定のプランを用意している場合もあるので、決めつけずに聞いてみてください。

ホテルのジムも見落とされがちな選択肢です。1か月滞在する物件なら、小さなフィットネスルームが料金に含まれていることがありますし、都市型ホテルの中には宿泊者以外にジムやプールのデイパスを販売しているところもあります。

移動しても続く習慣にする

短期滞在でうまくいくのは、ひとつの会員契約に絞るより、組み合わせるやり方です。

しっかり追い込む日は週2、3回だけ区のスポーツセンター、短時間のつなぎには近所の低価格チェーン、それ以外は公園を走る。この組み合わせで、契約なしでもだいたいの必要は満たせます。

東京は走る環境に恵まれています。皇居の周回コース、代々木公園や駒沢公園の広い園路、隅田川や多摩川沿いのルートは、どれも走りやすい場所です。

ただし夏の湿度を考えると、日中よりも早朝と夕方以降のほうがずっと現実的です。

銭湯とサウナも計画に入れておきたいところです。トレーニングのあとに近所の銭湯へ寄る習慣は、東京が提供してくれる回復方法の中でもかなり気持ちのよいもので、費用もわずかです。

要するに、東京にトレーニングできる場所が足りないわけではありません。足りないのは、何年も住むわけではない人にとって分かりやすい入口のほうです。

公共施設という仕組みがあって、当日ふらっと行けると知った時点で、ハードルはほとんど消えます。

よくある質問

区のスポーツセンターを使うのに日本語は必要ですか

必須ではありませんが、あると楽です。受付の英語対応は限られる場合がありますが、手順そのものは単純で、支払って、券を取り、靴を履き替えて中に入るだけです。大きめの施設は英語表記もあり、残りは翻訳アプリで足ります。

日本の銀行口座なしでジムに入れますか

公共施設なら可能です。都度払いだからです。券売機で現金払い、と考えておくのが無難で、練馬区のようにキャッシュレス対応の券売機に入れ替えた区もありますが、施設によって違います。民間チェーンも店舗によります。クレジットカード可のところも、日本の口座からの口座振替を必須とするところもあり、アプリ完結型のチェーンではSMSを受け取れる電話番号が必要になることもあります。行く前に確認してください。

初回に持っていくものは何ですか

室内専用のトレーニングシューズ、タオル、ロッカー用の100円玉、身分証。プールならさらに水泳帽です。タオルの貸し出しがない施設が大半で、忘れた場合は少し割高で販売していることがあります。