東京のゴミ出し完全ガイド:ノマドのための分別ルール
先に結論から。ほぼ全員がここでつまずくからです。
東京では、ゴミを全部ひとつの袋にまとめて出すことはできません。種類ごとに分けて、それぞれ決まった曜日に出します。出すのは前の晩ではなく、当日の朝です。
自分の建物で使う数種類の分け方を覚えて、週に2、3回ある収集日をカレンダーに入れてしまえば、あとは意識しなくても回ります。間違えると、袋は集積所に残されたまま、丁寧な注意書きのシールが貼られます。
「もう一度お願いしますね」という、東京らしい控えめな合図です。
意地悪で試されているわけではありません。東京のゴミの仕組みは世界でもかなり細かいほうで、住んでいる人がそれぞれ家で分別しているから成り立っています。
仕組みがわかってしまえば、暮らしのなかで負担に感じることはほとんどありません。
ただ、先にひとつだけ例外があります。民泊(Airbnbなど)に泊まっているなら、この先の話は当てはまりません。民泊の宿泊者が出すごみは事業系ごみで、ホストが別に処理するものです。近所の集積所には出せないので、ホストの指示に従ってください。
その街の本当のルールは、毎日の小さな習慣に出ます。東京では、ゴミの出し方ひとつで、この街のことをわかっている人かどうかが伝わります。
覚えておきたい分別の種類
細かいルールは区ごとに決まっているので、呼び方は少しずつ違います。それでも、ふだん出すゴミの分け方は東京のどこでもだいたい同じです。
短期滞在のアパートやシェアハウスで暮らすリモートワーカーなら、押さえておきたいのは次のあたりです。
いちばん多いのが燃えるゴミ(可燃ごみ)です。生ゴミ、ティッシュ、リサイクルできない紙、区によっては柔らかいプラスチックの多く、それに日々の細かなゴミ。
収集もいちばん多く、たいてい週に2回ほどです。
燃えないゴミ(不燃ごみ)は、小さな金属、陶器、割れたガラス、一部の硬いプラスチックなど。こちらは収集がぐっと少なく、月に1、2回ということもあるので、日付は必ず確認しておきましょう。
資源ゴミは、さらに細かく分かれます。ペットボトル(三角のPETマークが付いた透明な飲料ボトル)は、それだけで出します。
缶とびんは一緒に出す区もあれば、別々の区もあります。紙と段ボール(新聞、たたんだ箱、雑誌)は、ひもで束ねて出すのが一般的です。
区によっては、包装フィルムなどの「プラスチック製容器包装」を別に集めています。小さなプラマークが目印です。
全国共通のルールを覚える必要はありません。自分が住んでいる区の分別表を一枚見つければ十分です。区名に「ゴミ 分別 英語」などを足して検索すると、たいていの区がわかりやすい多言語ガイドを出しています。
PDFやアプリになっていることも多いです。
ごみを出す日と時間
実は、分け方よりも大事なのが出すタイミングです。ルールは2つあります。
ひとつめは、種類ごとに決まった曜日があること。住所によって、週ごとや月ごとのスケジュールが決まっています。
たとえば燃えるゴミは火曜と金曜、ペットボトルは水曜、不燃は第2・第4月曜、という具合です。その日を逃すと、袋は次の収集日まで家に置いておくしかありません。
不燃ゴミだと、二週間待つこともあります。
ふたつめは、前の晩ではなく収集日の朝に出すこと。たいてい朝8時などの締め切りがあります。
これはカラスや猫のためでもあります。夜のうちに出された袋を破るのが、彼らは本当に上手なんです。
多くの集積所には動物よけのネットやボックスがあるので、ちゃんとそれを使いましょう。
建物に屋内のゴミ置き場がある場合は、少し気が楽です。分別さえしてあれば、好きな時間に出せることが多いからです。
シェアハウスや新しめのアパートにはよくあるので、入居した日に聞いておくといいですよ。
使える袋と、出すときのマナー
23区には区の指定袋がありません。中身が見える透明か半透明の袋なら何でも大丈夫で、ふた付きの容器で出せる区もあります。一方、八王子市や武蔵野市など多摩地域の市では、コンビニやスーパーで売っている有料の指定袋が必要です。
大きなロールを買ってしまう前に、どちらなのかを確かめてください。
びんや缶は、すすいでから出します。段ボールはたたんで、紙は百円ショップで安く買えるひもできれいに束ねます。
ペットボトルは、区から言われていればキャップとラベルを外します。細かいようですが、几帳面さを競っているわけではありません。
集積所をきれいに保つための、ご近所どうしのふつうのマナーです。
これを知っておくと、本当に面倒を避けられます。コンビニや駅の中のゴミ箱は、その場で出たゴミのためのもの。家のゴミをこっそり捨てる場所ではありません。
厳密にはルール違反ですし、地元の人は案外見ています。出かけた先のコーヒーカップやペットボトルを捨てるには、コンビニのゴミ箱はとても便利です。使うのは、その範囲にしておきましょう。
大きなもの、袋に入らないもの
決められた大きさを超えるもの、多くの区では一番長い辺がおよそ30センチを超えるものは粗大ゴミになり、ふつうのゴミとしては出せません。事前に収集を申し込み(たいていネットか電話)、コンビニで手数料分のシールを買って受付番号を書き、指定された日に出します。
ノマドの暮らしではめったにありませんが、小さな棚やスーツケースなどを買って、あとで手放すときはこの方法です。
出し方に気をつけたいものもあります。スマホは小型家電の回収ボックスが基本です。ノートパソコンは投入口に入らないことが多く、メーカー回収や認定事業者の宅配回収が主な出し先です。電池、電球、スプレー缶は区によって違い、不燃ごみや有害ごみの日に出せる区もあれば、回収ボックスに持ち込む区もあります。たとえば練馬区では、乾電池は回収ボックスへ、持ち込めない場合は両極をテープで絶縁して不燃ごみに出します。リチウムイオン電池やモバイルバッテリーは家庭ごみには出せません。家電量販店などにあるJBRCの回収ボックスへ持ち込みます。
大型の家電は、また別のリサイクル法の対象です。迷ったら、区のサイトを見てください。こうした扱いにくいものの出し先が載っています。
出し忘れないための準備
最初に5分だけ準備すれば、あとはほとんど手がかかりません。自分の区の分別表を見つける。週に2、3回の収集日を、繰り返しの予定としてカレンダーに入れる。ラベルを付けた袋を部屋の隅に何枚か置いておく。ひもと、合った袋を一度買っておく。
最初の一週間が過ぎれば、もう考えなくなります。
数週間だけの滞在なら、当てずっぽうでやらずに、ホストや管理人さんにルールと曜日を聞くのがいちばんです。たいてい快く教えてくれますし、最初からきちんとやっておけば、シールの貼られた袋を見つけて気まずい思いをすることもありません。
よくある質問
分別を間違えるとどうなりますか。 たいていは、何がいけなかったかを書いたシールが貼られて、袋が集積所に残ります。持ち帰って分け直し、正しい日に出してください。ふだんのほとんどのケースでは罰金ではなく、やんわりした注意です。ただ、同じ建物で何度も間違えると、住人どうしの関係がぎくしゃくすることもあります。
本当に朝に出さないといけませんか。 多くの住宅地では、そうです。前の晩に出すとカラスや猫が寄ってくるので、やめてほしいと言われるか、ルール違反になります。屋内のゴミ置き場がある建物は主な例外なので、自分のところにあるか確かめてみてください。
ノートパソコンや電池、スプレー缶はどこに捨てますか。 可燃ごみには出せません。ノートパソコンはメーカー回収か、認定事業者の宅配回収が基本です。乾電池やスプレー缶は区によって、回収ボックスか、不燃ごみ・有害ごみの決まった日に出します。モバイルバッテリーなどの充電式電池はJBRCの回収ボックスへ。区のサイトか、品目名に区名を足して検索すれば、正しい出し先がわかります。