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柴又半日さんぽ:帝釈天と草だんご、江戸川の渡し

静かな古い参道の木のカウンターに並ぶ緑色のよもぎ団子。低い木造の店並みと白いのれん、通りの奥に木造の山門が見える秋の午後

柴又は、東京で半日だけ抜け出すなら、かなり上位に入る場所です。それなのに、海外から来た人にはあまり知られていません。

場所は葛飾区、東京のいちばん東の端。江戸川をはさんだ向こう側はもう千葉です。それでも東京23区の中で、電車でふらっと行けます。

駅を出ると、空気の速度が変わります。低い木造の店先、焼きせんべいの香り、通りの突き当たりのお寺。その先には、広くひらけた河川敷が待っています。

午前中にミーティングを片づけて、午後はゆっくりしたい。そんな日にちょうどいい街です。

何かを見に行く場所もある。柴又は、ゆっくりするという感覚を思い出しに行く場所だ。

柴又に行く価値

柴又は、小さな範囲にいろいろなものがぎゅっと詰まっています。

老舗の甘味処が並ぶ参道、精緻な木彫りで知られるお寺、和洋折衷の邸宅と庭園、そして小舟で川を渡る渡し船。

2018年には「葛飾柴又の文化的景観」として国の重要文化的景観に選ばれました。東京都内で初めての選定です。街並みが守られているのには、ちゃんと理由があります。

そしてもちろん、映画『男はつらいよ』の寅さんのふるさとでもあります。映画を観ていなくても十分楽しめますが、駅前で寅さんの像が出迎えてくれる理由はここにあります。

アクセス

柴又駅は、京成金町線の駅です。数駅しかない短い路線です。

よく使われるルートは2つあります。

浅草や押上方面からは、京成線で京成高砂まで行き、金町線に乗り換えて1駅で柴又です。

上野や北千住方面からは、JR常磐線(各駅停車)で金町へ。数分歩いて京成金町駅から1駅乗れば柴又に着きます。

出発地によりますが、おおよそ30〜50分ほど。正確な時刻や運賃は乗換アプリで確認してください。

押上・スカイツリー周辺や北千住に滞在しているなら、特に行きやすい場所です。

帝釈天参道:草だんごの通り

駅前の寅さん像を過ぎると、帝釈天へ続く参道が始まります。

長さは200メートルほどですが、古い店がぎっしり並んでいます。名物は草だんご。よもぎを練り込んだもちもちのお団子に、あんこをのせて食べるのが定番です。

店先でせんべいを焼く店、漬物屋、うなぎ屋、小さなおみやげ屋もあります。

雰囲気は昔ながらの商店街そのもので、もう少し古く、もう少しのんびりしています。こういう通りが好きなら、東京の商店街ガイドもあわせてどうぞ。

平日のお昼前に着くと、参道はかなり落ち着いています。土日祝日はぐっとにぎやかになります。

柴又帝釈天

参道の突き当たりにあるのが柴又帝釈天。正式には経栄山題経寺という日蓮宗のお寺で、歴史は江戸時代初期までさかのぼります。

境内は無料で入れます。多くの人のお目当ては、帝釈堂を囲む彫刻です。仏教の説話を描いた木彫りのパネルが、驚くほど細かく彫り込まれています。

彫刻ギャラリーと隣接する庭園「邃渓園」の見学は、通常は別途拝観料がかかります。最新の時間と料金は現地で確認してください。

有料エリアに入らなくても、二天門や帝釈堂はじっくり見る価値があります。軒下の細工にも目を向けてみてください。

山本亭

帝釈天から歩いて数分のところに、山本亭があります。大正から昭和初期にかけて建てられた、和洋折衷の邸宅です。

書院造の日本庭園は、海外の庭園ランキングでも長年高い評価を受けてきました。畳に座って庭をながめながら、手頃な料金で抹茶とお菓子をいただけます。

東京の東側で、いちばん静かに過ごせる場所のひとつです。忙しい一週間のあと、頭のスイッチを切るのにちょうどいい場所です。

矢切の渡しと江戸川

帝釈天と山本亭を抜けると、江戸川の土手に出ます。

河川敷は広く、緑が多く、静かです。歩いてもいいし、座ってぼーっとしてもいい。都心ではなかなか見られない、大きな空が広がっています。

ここには「矢切の渡し」があります。手漕ぎの小さな渡し船で、東京と千葉の松戸を結んでいます。長い歴史を持ち、東京近郊では数少なくなった貴重な渡し船です。

運航は季節や天候によって変わり、決まった曜日だけの場合もあります。渡ることが目的なら、事前に確認しておきましょう。運賃は手頃で、現金払いが基本です。

寅さん記念館

土手の近くには「葛飾柴又寅さん記念館」があります。映画のセットや小道具、柴又の街の歴史に関する展示が見られます。

どちらかというとファン向けですが、なぜ柴又が日本で懐かしさの象徴になったのかがよくわかります。入館は有料なので、開館時間とあわせて確認してください。

仕事とどう組み合わせるか

柴又は、仕事をする場所ではありません。コワーキングスペースはほぼなく、老舗の店もパソコンを広げる場所ではありません。

むしろ、ごほうびとして使うのがおすすめです。午前中に仕事を終えて、お昼すぎに東へ向かえば、2〜4時間で主な見どころを回れます。

途中で電話に出る必要があるなら、金町や京成高砂のような大きめの駅の周りにはチェーンのカフェやコンビニがあります。

たとえば、こんな流れです。

  1. 午前:仕事を片づけて、東へ移動
  2. お昼すぎ:参道を歩いて、草だんごを食べて、帝釈天へ
  3. 午後:山本亭でお茶をして、江戸川の土手へ
  4. 夕方:帰宅ラッシュの前に戻る

スムーズに回るコツ

現金を少し持っていきましょう。老舗の店や渡し船では、カードが使えないことがあります。

できれば平日に。週末の人混みがないだけで、街の印象がまったく変わります。

歩きやすい靴で。どこも歩いて回れる距離ですが、土手まで行くと意外と歩きます。

営業時間は事前に確認を。都心より早く閉まる店や、定休日のある施設もあります。

よくある質問

柴又は半日でも楽しめますか? はい。見どころが近くにまとまっているので、2〜4時間あれば参道、帝釈天、山本亭、江戸川の土手まで、ゆっくり回れます。

都心から柴又へはどう行けばいいですか? 京成線で京成高砂まで行き金町線に乗り換えるか、JR常磐線で金町まで行き京成金町線で1駅です。最新の時刻は乗換アプリで確認してください。

矢切の渡しは毎日運航していますか? 毎日とは限りません。季節や天候で運航状況が変わるので、事前に最新情報を確認してください。